住宅購入で重視した点 - デザイン / Simple is Best
私たちは住宅を企画して工事して販売する立場にいるわけですが、その商品である住宅を買っていただくお客様の声を真摯に受け止めて、商品に反映させなければなりません。
その声は、直接お客様からお聞かせいただくこともありますし、また各種アンケート調査結果やテレビ・雑誌・ネットなどの情報から汲み取ることもあります。
今日は、大手不動産情報サービス会社のアットホーム(株)が2012年に実施したアンケート結果から、興味を引いた記事について記したいと思います。
質問事項は、
「住宅購入の際に重視したこととは?」。
マンション派は「間取り・部屋数」「交通アクセスの良さ」「新築」「建物の基本性能」「設備」「セキュリティ」などを重視した一方、
一戸建て派は「内装デザイン」「外装デザイン」を重視していることがわかります。
簡単に言うと、マンション派は機能性・快適性・利便性を重視し、一戸建て派はデザイン性を相対的に重視しているといってもいいでしょう。
(もちろん、一戸建て派も「価格」、「間取り・部屋数」、「広さ」、「日当たり・風通しがよい」 などの項目に絶対的には注意していますが・・・)
そこで、当社では、上鶴間本町9丁目プロジェクト(相模原市南区)でも採用している標準プランでは、デザイン性を力を入れて企画しています。
まずは、外観の形状。
都会的なシャープでシンプルな、極限まで機能をそぎ落とし、最低限の機能だけを残した結果のキュービック(立方体)形。政治・経済・社会も成熟するなか、ゆとりある生活を追求し、個人の価値観が多様化している時代だからこそ、事物の本質が求められているのです。不変の本質が中心にあって、表層である機能は住み手・使い手の価値観でデコレートする。
次に色彩。
このシリーズの基調は、白と黒を採用しています。
白は赤・青・黄の光の三原色を加法混合することで生成し、黒はシアン・マゼンタ・イエローの色料の三原色を減法混合することで生成し、ともに明度が異なるだけで無彩色。これも色彩的には究極のシンプルさを持っています。シンプルであるのに、奥が深い。
上鶴間本町9丁目プロジェクト A棟では、黒を基調に、茶色の木に擬した縦のルーバーをアクセントとして配し、和風テイストに仕上げています。
「和」の特徴は、これも枝葉をそぎ落とし、本質のみを残し、場の雰囲気、空間を楽しむ。凛とした緊張感が漂う感じです。伝統的にくずしの技法が使われるので純粋な幾何学模様は多用されませんが、立方体は円・球とともに究極の形状で和的な要素を包含しているといえるでしょう。
まさに ”Simple is Best” を追求した結果です。シンプルな中に事物の本質・究極の美があるのです。
価格や設備・安全性など、住まいの機能が完備しているの当たり前、差別化するためにはプラスαの付加価値が求められています。今回は外観デザインにスポットを当てて、そのこだわりについて、つらつらと書き綴ってみました。
百聞は一見に如かず。ご興味をお持ちいただいた方は、ぜひ内見をお勧めします。
まだ、世界に一つだけの建物です。(近々、隣接のB棟の建築も始まり、今後増やしていく予定ですが・・・)